妻から「私はいないものと考えて」と冷酷な言葉を突きつけられ、目の前が真っ暗になったあの日。それでも私は、夫婦関係を終わらせないために、自分自身の内面と徹底的に向き合うという孤独な戦いを続けていました。
今回は、2025年11月前半の記録です。夫婦関係修復のためのワークに取り組み、自分を変えようともがく中で、私は「ある大きな決断」を下しました。しかし、同時に見え隠れする妻の思わせぶりな優しさに、サレ夫の心は激しく揺れ動くことになります。
妻不倫の絶望から立ち直るために。サレ夫が始めた「心の棚卸し」
10月29日、私が登録した「しあわせ家族研究所」のザビエルさんから一通のメールマガジンが届きました。「僕がなぜ最悪な夫婦関係から円満な夫婦へと変わったのか」「奥さんがたとえ不倫しても、離婚を言い渡されたとしても最後には僕の元に戻って来るという“絶対的な”自信を持っているのか」——そんな言葉と共に、「あなたが夫婦関係をコントロールする法則」をまとめたレポートがプレゼントされました。
私はすがるような思いで何度も何度も繰り返してこのレポートを読みました。そして、まずは「自分の棚卸し」を始めました。 ノートに書き出してみて気づいたのは、私の根本的な弱さです。私は不安や恐れに振り回されやすく、人の気持ちがわからない人間でした。根本的には自分に自信がないからこそ、仕事などで一生懸命頑張って「できた」を繰り返していたのです。そして、大きなことをして自信を得ようとしていたのです。妻のことが大好きなのに、その気持ちをわかってほしいあまり、意地悪をしてしまうような小さな人間でした。「どうせ俺のことなんか好きにならないよね」と、どこかで拗ねていたのです。
オンラインゲーム不倫への対応。妻の自立とゲーミングPCの購入
この「心の棚卸し」と並行して、以前、受けた臨床心理士によるカウンセリングで、私はある重要な気づきを得ていました。それは、「妻からゲームを取り上げることは無意味である」という事実です。
妻の不倫の温床となっているのはオンラインゲームのコミュニティでした。当然、サレ夫である私からすれば、ゲーム機などすべて捨ててしまいたいのが本音です。しかし、無理に制限すればするほど、妻の気持ちは反発し、結果的に間男の方へ強く向いてしまうことも痛いほどわかっていました。 葛藤の末、私は「とにかく、ゲームの再開を許す」という決断を下しました。間男と連絡を取ったり、一緒にゲームを行ったりするリスクは当然ありましたが、北風と太陽でいえば、今は「太陽」になるしかないと腹を括ったのです。
11月に入った頃から、妻はゲームを再開しました。この時、妻は週に1、2度程度のみ夜ゲームをする程度でした。さらに「ゲームしているところを見にきても良いよ」と言ってくれていました。私を安心させようとする妻なりの歩み寄りだったのかもしれません。
ただ、これまで使っていたパソコンは古く、負荷の高いオンラインゲームをプレイするには限界がきていました。そこで、「節度を守る」という約束のもと、新しいゲーミングパソコンを購入することに決めました。 表向きは「家族のパソコン」として購入することにしましたが、私はあえて「妻自身のお金で購入する」ことを了承しました。 当然、妻が自分だけのPCとしてしまうかもとは思いました。しかし、この様にした理由があります。妻が不倫に走ってしまった根底には、私への「甘え」や「依存」があるのではないかと感じていたからです。高額な買い物を自らの責任で行うことで、少しでも自立心が養われればという願いがありました。
考えてみれば、20数万円程度でもこの様な金額を、妻が自分のお金で購入することなど、結婚してから一度もありませんでした。 オンラインショップで購入ボタンをクリックする際、妻は「緊張するー!」と声を上げていました。その姿を見た時、私はふと「これまで私は、金銭面や生活面で、知らず知らずのうちに妻を縛り付けていたのかもしれない」と反省しました。彼女の自立を阻んでいたのは、他ならぬ私だったのかもしれないと思いました。
サレ夫を翻弄する不倫中の妻の行動。入り混じる優しさと期待
ゲームの再開を認め、自らの心と向き合うワークを続ける中で、11月上旬、妻の態度に驚くような変化が現れ始めました。
私は11月に入ってから、「GOOD & NEW(良かったこと・新しい発見)」を毎日ノートに書き留めるワークを実践していました。妻の嫌なところや不倫の事実ではなく、日常の中にある「ありがたいこと」に目を向ける訓練です。 すると、妻は驚くほど私に優しく接してくる日が増えたのです。
寝転んでいると私のお腹をポンと叩いてきたり、朝、仕事に持っていく用のコーヒーを淹れてくれたりしました。11月6日にはお弁当を作り、子どもを送っていってくれました。 さらに7日には、朝、横に添い寝をしてきて、夜には私の海苔弁にカキフライを2個追加して「少ないかなと思って」と言ってひっついてきてくれたのです。8日や9日には、寝起きに抱きしめ合うこともありました。
11月11日の夜にはキスやスキンシップがあり、13日には「笑顔で起きようか?」と言い合い、抱き合ったまま眠るという、かつての幸せだった頃のような時間を過ごしました。14日にはビールを買ってきてくれ、15日の夜には「お風呂入ってくるかと思ったのに」と、まるで私を待っていたかのような言葉までかけてくれたのです。
11月11日、私は改めてノートに「なぜ再構築するの?」と問いかけました。答えはシンプルでした。「一緒に過ごしたい」からです。 そのために私がすべきことは、息子と一緒に寝ること。心からのありがとうを伝え、心からの謝罪を重ねること。そして「連絡とってるかどうかは聞かない。言わない。責めない。ポジティブに捉える」という固い決意でした。
11月16日には、「自分の幸せのために焦点を当てる」と書き残しています。笑顔あふれる家族で過ごしていくために、自分はどうすれば愛される人間になるのか。 改めて書き出した妻の好きなところは、失敗を恐れずチャレンジするところ、元気を与えてくれるところ、たくさんの気遣いや優しさでした。疲れていても愛情のこもったご飯を作ってくれることや、抱きしめた時の肌触りも大好きでした。子どもに強く言ってしまうのも、本当は「助けたい」という思いが背景にあるのだと理解できるようになりました。 「妻が居ないと我が家はダメになる」。それが私の偽らざる本心だったのです。
11月19日、ゲーミングPC到着。不倫の影とサレ夫の葛藤
私がワークを実践し、妻の良いところに目を向け、感謝を伝え始めたことで、妻もそれに応えるように優しさを向けてくれている。妻の温もりを感じるたび、私は「もしかしたらこのままやり直せるのではないか」と期待に胸を膨らませました。
価値観の違いにはイライラせず、『へぇー、そんなふうに考えるんだ面白いね!』と捉え様としました。 しかし、その一方で、いまだにトイレがとても長かったり、仕事の昼の休憩時間に家に戻ったり、妻が水面下で間男と繋がっている可能性は常に私の心に暗い影を落としていました。あんなに優しく抱きしめ合い、家族のために家事をしてくれた直後に、間男と連絡を取り合っているのかもしれない。そう思うと、天国から地獄へと突き落とされるような感覚に陥ります。
自分で自分をコントロールしようと必死にワークにすがりつく一方で、妻の些細な優しさに一喜一憂し、翻弄され続けるサレ夫の惨めな日常。見えない敵である間男の影に怯えながら、私はただ、目の前の妻の笑顔だけを信じようと必死にもがいていました。
そして、11月19日。
妻が自分の決断で、20数万円を出して購入した「ゲーミングPC」が我が家に届きました。
この時はまだ、良かれと思って下した「ゲーム再開の許可」と「新しいPCの購入」という判断が、後に大きな影を落とすことになるとは、私は全く分かっていませんでした。
(続く)


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