【サレ夫のリアルな日記⑲】これまでのまとめ:愛情への気づきと「私はいないものと考えて」

離婚届とペン 再構築の手立て

妻の不倫という残酷な現実に直面し、息もできないほどの怒りと絶望に支配されていた日々。今回はこれまでの壮絶な道のりの「まとめ」として、私が「相手を変えること」を完全に諦め、自分自身の心と深く向き合う覚悟を決めるまでの生々しい葛藤の経緯を振り返ります。

終わらない水面下の行動と、崩壊する日常

私が出張から帰宅した夜、妻が間男とZoomで繋がっていた履歴を発見してしまったあの日の絶望は、今でも鮮明に覚えています。問い詰める私に対し、妻は何も説明しようとせず、「もう、私がここを出ていく」と言いました。私は家族が終わってしまう恐怖からパニックに陥り、自ら死をほのめかし、包丁を持ち出すような行動で妻を強引に引き留めるという、最もやってはいけない行動をとってしまいました。

妻の心は完全に家庭から離れ、日常は崩壊していました。別の日には、一生懸命話しかけている娘に対し、横になったままめんどくさそうに返し続ける妻の姿がありました。娘がそれでも話しかけると、妻が「うるさい」と払った手が娘の鼻に当たり、鼻血を出させてしまうという痛ましい出来事まで起こりました。それでも妻は「私が悪いでいいんじゃない」と悪びれることもなく、関係修復の糸口すら見えない暗闇の中にいました

これまでの愛情に気づいた夜

何度も見え透いた嘘をつかれ、残酷に裏切られながらも、なぜ私はこれほどまでに妻と一緒にいたいと願うのか。しあわせ家族研究所のザビエルさんの発信をきっかけに、私はようやく自分の中にあるひとつの確信に行き着きました。

それは、これまで付き合っていた期間も含め20年間、妻が私に注ぎ続けてくれていた確かな愛情の存在です。出会った頃、不器用ながらも一生懸命働き、病院で働き患者さんに向けていた彼女の最高の笑顔。職場の笑顔コンテストで1位を取った彼女を、完全に好きになった日のこと。結婚してからも、買い物に行けば急に手を繋いできたり、毎日のようにお弁当を作ってくれたり、鈍感な私が身勝手に抱きしめた時も、体調が悪くても優しく抱きしめ返してくれた日々の温もり。

不倫という最悪の事態が起きるまで、私はこの愛情を「当たり前のもの」として見過ごしていました。間男への憎悪や執着を一旦手放し、妻とのこれまでの関係性だけに目を向けて生きていく。その決意と深い感謝を妻に伝えました。

その時の妻はどの様に感じたのか?私にはわかりませんが、その後、間男との関係が終わることはありませんでした。

専門家からの指摘と「ベキ思考」の呪縛

その後、状況を少しでも変えたいと藁にもすがる思いで、夫婦で博多のカウンセリングへ向かいました。理由は出張から帰った日の私がとってしまった死をほのめかす行動に対して、妻が要望したからでした。

子どもたちの歯科受診も兼ねていたので、さながら家族旅行の様でした。しかし、その日は元々、妻と間男が内緒で博多で会おうとしていた日程でした。そのため、家族でボーリングに行っても、間男が近くに来ているのではないかと疑心暗鬼になり、苦しくてたまらなかったです。カウンセリングを受けるため、子ども達を先に新幹線に乗せホテルに戻る際も、もしかしたらこのタイミングに部屋に間男がいるのではないかと葛藤し、ドキドキしながらカードキーを開けました。結果、そこには荷造りする妻しか居ませんでした。後に1週間ほど経った時、妻は口唇ヘルペスになりました。私はこの時に間男が近くに泊まっていて、このタイミングにキスをしていたのでは?と考えることもありました。間男は大手製粉会社の社員で経済力はある様でしたので、これくらいのことはやりかねないと思っていました。この頃の私は現実の区別がつきにくい状態になっていたのかもしれません。

カウンセリングの場で専門家から指摘されたのは、私自身の「夫はこうあるべき」「妻はこうあるべき」という強いこだわり(ベキ思考)が、長年の夫婦関係に暗い影を落としていたという事実でした。私は「家族のために稼ぐこと」「浮気をしないこと」などの正論にばかり囚われ、目の前で苦しんでいる妻の感情に全く寄り添えていなかったのだと思い知らされました。妻を変えようとするのではなく、私自身の思考の癖を自覚し、私が変わるしかないのだと痛感した瞬間でした。

裏垢での繋がりと、残酷な宣告

自分が変わる覚悟を決め、仕事にも集中し少しずつ前に進もうとした矢先。妻に「連絡をとってるの?」と聞くと「心配ならスマホ確認しなよ」と言われたことがありました。もう連絡とっていないということを証明しようとしたのだと思っていました。そこで、Instagramを見てみましたが、裏アカがあることに気付き開こうとした瞬間、妻は私に飛びかかりスマホを取り上げようとしました。それは、確認するまでもなく、裏垢で間男と連絡を取り合っていたことの証明でした。

問いただす私に、妻はやがて自嘲気味にこう語りました。 「私とあの人は似ているんだよ」。 「私はあの人には何人かいる浮気相手の一人でしかない」。

耳を塞ぎたくなるような言葉でした。それでも私は、そんな泥沼に身を沈めている今の妻すらも全て受け入れて、再構築を進めたいと真っ直ぐに伝えました。しかし、その私の決死の覚悟に対して、妻は苦しそうな表情を浮かべ、最後にこう言い放ちました。

「私はいないものと考えて」。

それは、かつて結婚前、私が別の女性に心惹かれかけた時期に、妻がそれに気付き、妻自身が自分の心を壊さないためにとった「相手をいないものとして無になる」という悲しい防衛手段でした。私はすべてを受け入れ、変わろうと手を伸ばした瞬間に、過去の自分の過ちが因果となって突きつけられた分厚い壁を思い知らされました。

以上が、不倫発覚から妻をコントロールすることを手放すに至るまでの激動のまとめと、私の現在地です。妻をコントロールしようとする執着を完全に手放し、ただひたすらに自分自身の心と向き合うという、孤独で険しい再構築のスタートライン。ここから私がどう進んでいくのか、続く第20作でまたお話ししたいと思います。

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